秀でよ凡才

出でよ天才と言われても出ていけない男

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ワークショップフェスに行ってきました(3)

 二コマ目。野村さんの「漫才を作るワークショップ」に後ろ髪を引かれたものの、さすがに恥ずかしいのと学んだところで漫才をやる機会がないしということで大喜利やネタ作りに役立ちそうな「やわらか妄想脳」へ。
 教室に入り適当なテーブルの前に座っているとファシリテーターさんが漫画雑誌やファッション雑誌、体育の教材かなにからし少年が様々なポーズをとっているイラスト集などを各テーブル別に十枚ほどの紙を配っていき、誌面にある気になった写真(もしくはコマやイラスト)をハサミで切り抜くようにと言われました。
 僕らのテーブルに配られたのが釣り雑誌で、まっさきに目に飛び込んできた釣りあげられて網に入れられたサツキマスという魚の写真で、そのインパクトが強くてインタビューや広告の写真を見てもどうしてもその魚が離れなかったので切り抜くことに。
 作業途中に切り終わったらその写真でそれを三項目を考えるようにと言われて黒板を見ると書かれていたのは

  1. 吹き出しをつけるとしたら
  2. マイブームはなに?
  3. いつ生まれた?

 の三項目で自分のミスチョイスぶりに思わず頭を抱えそうになる。
 なんだよ魚のマイブームって。セリフにしても「釣られちゃった」ぐらいしか言うことないわ。と、諦めかけたところで「これって『写真で一言』だ」と気づき、それならば多少なりとも(本当に多少なりとも)自分のフィールドだから考えようがあるかと思いなおしボケることに(これがファシリテーター側が想定した趣旨に沿っているかどうかは考えない)。
 ただ、いざボケるとなると真面目にボケてスベるのも嫌だったので、吹き出し「ちょっと逆から撮ってよ。そっちの横顔が自信あるんだから」、マイブーム「産卵」、いつ生まれたか「いつ生まれたかはわからないんですけれど、人間で言うと30歳」と大喜利初心者が考える工夫したボケ方で無難にしのいで、結果、愛想笑いかもしれないけれど笑ってもらったものの魂を売ったようで罪悪感。
 そしてこの「意図的に初心者レベルのことをした」とさも中級者以上の実力があると言わんばかりの書き方にと驕り昂りが出ているようでこれまた罪悪感。


 後半の内容は参加者を三~四人のグループにシャッフルし、お互いが持ち寄った切り抜きで相関図を作るというもの。
 僕の持ち寄った魚と六十歳前後の頑固そうな釣り人の写真にファッション雑誌から切り抜いた女性モデルと男性四人組さらになぜだかヒトデの写真、さらに絵本から切り抜かれた机に座って書き物をするウサギとブーツの中に入った赤ん坊と何の共通点もない素材が集まり、女の子は四人組からバンド(プロデューサーはウサギ)に誘われているけれど、お父さんは大反対していて、女の子は魚に憧れていると集まった写真からこじつけられるだけこじつける。
 「まだ他にも素材がありますよ」というので天文雑誌や少女漫画が置いてあって、古本とはいえさすがに本を切り刻むのは心が痛むので天文雑誌を手に取ったら、ページの八割ぐらいを占める月の写真が魚のときと同じようにどうしても目に着いて離れなかったので、相関図とか関係なしに切り抜いたら、同じグループの女性が「魚は月の光で変身することにしましょうよ!」と閃いてくれて少女マンガの美男子が登場するページ(一ページ丸々貼り付けたので心が痛まずにすみました(笑))をくっつけたりと、相関図の形で気楽に物語を作って楽しかったです。
 さっきも書いたように本好きとしてはやっていて心が痛むものの、だからこそ自発的には絶対にしない頭の使い方ができたかなと。



 余談ですが、ヒトデの写真を「女の子を誘って五人組になるから、五人組を意味するバンドのマスコットってことにしません?」と提案して同じグループの女子大生二人に微妙な反応をされたことを付け加えておきます(苦笑)。