秀でよ凡才

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9月3日即興テキストコントお題「高野豆腐」

 いい加減、逃げ続けていたことに向き合います。半年前に初めて散発的に続けてきた即興でテキストコントをちゃんと作っていきます。毎度毎度、即興の意味とはなんぞやということになりますが、なにも考えていなかったのでどうかご容赦を。

男1:はいどうも、よろしくお願いします。
男2:人間、正直に生きるって難しいね。
男1:出てきて早々、小難しいこと言い出すなよ。
男2:人間、生きていると真実を告げるべきか嘘も方便ってことで本当のことをごまかして伝えるか悩むことってあると思うんですよ。
男1:まあ、それは往々にしてあるだろうけれどね。でも、なんでそんなこと言い出すの?
男2:実は僕、アルバイトで占い師をやってるんですよ。
男1:占い師? 珍しいバイトしてるね。
男2:ええ。朝の情報番組の占いコーナーを任されてるんですけれど。
男1:すごいな! 結構な大仕事してるんだな!
男2:で、さっき明日の運勢を占ったんですけれど、困ったことがありまして。
男1:なんです?
男2:明日のラッキーアイテムが高野豆腐なんですよ。
男1:は?
男2:高野豆腐。凍らせて乾燥させた豆腐。これを正直に伝えていいのか迷ってるんですよね。
男1:あなたの占いで出てきたのが高野豆腐なら言っていいでしょ。
男2:でも、そんな渋いものがラッキーアイテムですって言われても困るでしょ。
男1:そうですかね?
男2:どこの家にあるものじゃないですからね。これじゃ、朝出かけるときに持っていけないでしょ。
男1:別に、朝持っていかなくてもいいでしょ。帰りに高野豆腐買って帰るとかでも効果はあるでしょ。
男2:ああ、ごめん。言い忘れていたけれど、明日の占いって「あなたは午前中死にます。ラッキーアイテムの高野豆腐があれば助かる!」なんだよ
男1:どんな結果が出たんだよ! なんだその乱暴な占い!
男2:それで12星座全部でこの結果なんだよ!
男1:12星座で!? お前、絶対占い外れてるだろ!
男2:当たるんだって!
男1:その占い当たったら明日の午前中に日本人全員死ぬじゃねえかよ!
男2:なんだよね。で、それを防ぐには高野豆腐が必要なんだけれど、それを正直に言うべきなのか……。
男1:言っていいだろ! ていうか、お前の占いに絶対の自信があるなら言えよ。日本の存続がかかってるんだぞ!
男2:それか、高野豆腐からはワンランク落ちるけれど、ラッキーになれてなおかつ誰でも持っているものを紹介するべきか悩んでるんだよね。
男1:なるほどね。
男2:これだと「あなたは午前中死にます。でもラッキーアイテムがあればいい走馬灯が見られるかも!」って占いになるんだよ!
男1:死は防げねえのかよ! しかも、かもかよ! 確証ねえのかよ!
男2:ラッキーアイテムは12星座共通で「これまで生きてきた中でのいい思い出」
男1:だからだよ! いい思い出振り返った直後に死ぬからいい走馬灯が見られるんだろうが!
男2:あれ? 勘違いしてない? 俺の言ってるのは影絵を映して見せる本物の走馬灯よ。
男1:由来の方かよ! 別に死の間際に本物の走馬灯見たって嬉しくないだろ!
男2:ちなみにもうワンランク下のラッキーアイテムは走馬灯ね。
男1:高野豆腐の比じゃないぐらい一般家庭に持ち合わせがねえな。
男2:「いい走馬灯が見られるかも! でも、物によっては悪い走馬灯かも!」ってのが占いの結果ね。
男1;もはやなにひとつ言い表してないだろ。
   もういいよ、そんなめちゃくちゃな占いどうせ外れるんだからさ。
男2:そんなこと言わないでくれよ。
男1:ていうか、お前どんな占いしたらそんな結果が出るんだよ。
男2:タロットだけど。
男1:タロット?
男2:そう。カードの代わりに高野豆腐を使ってるんだけどね。
男1:なにを使ってるんだよ!
男2:使いすぎてボロボロになっちゃって、死神のカード以外なにかわかんなくなっちゃってね。
男1:だから全員死ぬって結果になったの?
男2:うん。ラッキーアイテムもよくわかんないけれど高野豆腐だろうなって思ってね。
男1:雑すぎだろ! いい加減にしろ!