海猫沢めろん「パパいや、めろん 男が子育てして見つけた17の知恵」
- 作者:海猫沢 めろん
- 発売日: 2020/06/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
めちゃくちゃ面白れえ。
海猫沢めろんの人生や経験が面白くないはずはないし、海猫沢めろんの洞察が面白くないわけがないのでめちゃくちゃ面白れえのは当然ではあるけれど、にしたってめちゃくちゃ面白れえ。
そのものずばり子育てがテーマの「キッズファイヤー・ドットコム」にしろ「ニコニコ時給800円」にしろめろん先生の小説では極端なシチュエーションと極端なキャラクターを用意して暴論スレスレの極論を語ることで社会問題を穿つ正論になるところがあるけれど、それらの小説とも通じる読み心地で、海猫沢めろんという極端なシチュエーションから語られる子育ての苦労と手探りで学んだ「デスゲーム」から救われるための知恵にはいちいち納得するし勉強になる。
未来永劫にわたって子育てをする予定もないので本書で得た知識を実践する機会がない、というか本書から学んだことで一番フィードバックできるのは「僕にめろん先生のようなことは到底無理だから、万が一にも親になる可能性は作らないでおこう」という寂しいものになるけれども、子供との対話や妻側の負担や自分の問題を抱えながらどう折り合いをつけていくかを読むにつれ、人とどう接していくかの心構えは前よりできた気がします。
最後に。子育てや夫婦関係とはズレた部分で感銘受けた気もしますが、個人的に一番好きだったのが習い事の章の結論に出した習い事で身につけるべきもののくだりでした。