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秀でよ凡才

出でよ天才と言われても出ていけない男

   今後の予定




   チケットの予約・取り置き希望はsugitamasataka@gmail.comまで

パワポカラオケ選手権 決勝に出てきました

 遅くなってしまいましたが、今月の17日にパワポカラオケ選手権の決勝に出場してきました。
 予選で勝ち上がってから一週間。運に恵まれた部分もあるので決勝でどうなるか不安で、本番前日には一人二回プレゼンするルールが発表され二回とも上手くいくとは思えなくて不安で、本番前のルール説明で二回目のプレゼンでは予選(と一本目)から持ち時間が二分増えて五分間(スライドも一枚増える)と言われて五分も出来るのかと不安になり、会場したら大勢のお客さんがいらっしゃってこれだけの人の前(しかもほとんど知られていない中)でちゃんとウケるのか不安で、ってな具合に始まる前はとにかく不安でいつも以上に顔を白くしていましたね。
 そんな不安やら緊張やらの影響か、選手入場で空元気を振り絞っったら司会のセミキノコのお二人から「相変わらず、選挙に出るうさんくさい泡沫候補っぽい」とイジってもらたので「清き一票を!」と叫ぶもBGMに負けてよく聞こえなかったり、全員が登壇してから意気込みを語るときにマイクが入っているのかいないのかわからなくて変な空気になったりで、開始数分でその場にいた全員に「こいつは優勝する器じゃない」と思わせるような挙動不審ぶり(苦笑)。


 各選手の意気込みとルール説明のあとは一回目のプレゼンの順番を決めるくじ引き(二回目のプレゼンは得点の低い方から行うという旧キングオブコント形式)。うっすらと透けている紙を見て曲線があるからとりあえず1ではないだろうとあたりをつけて引く(我ながらせこい)と書かれていた数字は3。「序盤かあ……。前回もそうだけれど、他の人のプレゼンを見ながらシミュレーションしたいから後半がよかったんだけれどな……」と思いながら他の人の紙を見ていくと、トップバッターが過去二回王者の古川さんで次がゲストのあぐ味さんという結果に。さっきも一週間ずっと緊張で顔を白くしたと書きましたが、この瞬間が一番顔が白かったのではなかろうか。だって正統派がしっかりお手本を見せて盛り上げて曲者が前者とは全く違うワールドを見せて盛り上げて、三番手が正統派でも曲者でもない中途半端なプレゼンをして沈む展開しか思い描けないもの。この時点で意識は二本目でどう取り返すか、そのためにも一本目が終わってからと二本目開始前のインタビューでどうネタにするかにしか向かず。
 本番が始まったら予想通り、導入にフックがあればスライドの生かし方にも捻りもあって話の流れにピッタリのスライドが来る運にも恵まれた古川さんの貫禄のプレゼンと、最初こそ慣れないもののそれが独特の雰囲気になって客席を飲みこんでいくあぐ味さんのプレゼンが会場を盛り上げてすっかり始まる前から戦意喪失状態。プレッシャーに押しつぶされたまま僕の番がやってきました。


 始まる前は予選同様やりながらなにを考えていたのかを振り返るつもりだったのですが、この三分間に関してはあがりすぎてなにを言ったのかほとんど覚えていないです。
 テーマが「羽生結弦」で、引いた瞬間に「羽生結弦の強さの秘密を教えていく」雛型までは決まったものの、そこから先の具体的なプランが描けないまま話し始めて、一枚目の猫のが七匹ぐらい映っているスライドに対して「猫」と言ったり、「猫のしなやかさとフィギュアスケートのしなやかさって共通してるよな」と思いついたのでそのことを体感時間で二分ぐらいかけて引っ張って、その内容も「猫とスケート選手って似てるじゃないですか。……ねえ?」と、悪い形で客席を巻き込んだり「仮面ライダーが改造してバッタの力取り入れたようなもんですよ」という支離滅裂ぶりで、三分間全部が予選の赤紙のくだりのようだというかなりの悪夢になってしまいました。
 途中、「これはなにを言っても泥沼で、ただのコミュニケーション能力に難がある人ととしか見られないだろう」と悟ったので、それを逆手にとって変な発言をしたらウケるだろうと、スケートのことを「羽生結弦の踊り」と言ったらザワつく感じでウケたので、その瞬間だけは唯一「勝った」と思ったけれど、その勝負に挑まなきゃいけない時点で負けだよ。
 結局、一枚目に時間をかけ過ぎたせいで残り三枚のスライドは駆け足気味になって時間切れ寸前に無理矢理触れて終了。客席の反応も緊張感と反比例する盛り下がり具合だったので「予定通り自虐ネタにして後半につなげるしかない」と思ったものの、そこは養成所時代に講師から「お前の自虐は笑えない」と評された男(いや、ずっと進歩してないのかい)。真っ先に「文句は予選で票を入れた人に言ってください!」と予選のお客さんにも予選出場者のみなさんにも失礼な責任転嫁して、「しまった!」と動揺しているうちに次につながるウケもないまま終わってしまいました。


 集計時間も兼ねた休憩時間では観にきてい大喜利関係の知り合いを相手にどうして「ダメなのは分かっていたんだけれど、どうしても出来なかっただんだよね……」と言い訳に終始。
 一本目終了時点で549点で九人中八人。一位のジャンプ中澤さんとは500点差以上が付いている(選手一人一人のプレゼンを一人10点満点で採点。途中入場されたお客さんもいるので、前半・後半それぞれで何点満点だったのかはわかりませんが、最終的に113人の方がこられたそうなのでおそらく1100点弱。……ってことは、中澤さんほぼパーフェクトかよ!!!)。


 後半は一本目で僕とは7点差で最下位だったゲストの境谷さんからスタート。ここまで読んでいただければお分かりだと思うのですが、僕は自信がない癖に虚栄心だけ強い奴なので、どうしても最下位になりたくないから「スベって」とは言わないけれど「逆転不可能なくらいはウケないでくれ」と祈ったものの、最低の祈りもむなしく、一本目では初めてのパワポカラオケ相手にてこずっていた境谷さんが完璧なプレゼンを見せて、ゲラゲラ笑いながら絶望する珍しい状況に陥りました。ただ、あまりにも絶望過ぎて、逆に覚悟ができるというか、一度恥はかいているしこれで最下位は決まったからせめて少しくらいはウケてくれと思いながら舞台へ。


 二本目のテーマは「一億円」。瞬間的に行きの電車で見た「宝くじのCM」が浮かんで、それをとっかかりにして一億円が手に入ったとしてどう使うべきかを話すことにしました(こっちはある程度は覚えているので、なにを考えながら話したのか書いていきます)。

 えー、最近……最近と言いいますか、時期的に宝くじのCMをよく見ますよね。一等十億円。そこまでは高望みしないけれど、一億円ぐらいは欲しいじゃないですか。

 解説するのも野暮ですが、「十分高望みしてるじゃねえかよ」ってツッコんでもらうためのくすぐりだったのですが、「羽生結弦の踊り」が尾を引いているのか、「こいつなに言ってるんだ?」って空気になったので慌てて、

 一億円欲しいでしょ!? じゃあ、この中で一億円欲しくないって人、手を上げてください! ……(誰も上げないのを確認して)ほらね

 と、客席に振ったのですが、この時間を削ってとっとと本題に入ればよかったな。

 でも、一億円が当たってもどう使っていいかわからないでしょ? だからこういうものを買ったらいいってものをお教えしていきます。まず、一億円が当たって最初に買ってほしいのはこちら

 ここで一枚目のスライドを表示。スーツ姿で土下座するが二組描かれて、テロップで「二段階土下座」(正確になんと書かれていたかは失念)と表示された画像。元ネタなんだろうな……見たことがあるようなないような……? いやいや、そういうことじゃなくて、。

 土下座……。させるんですよ! 一億円ありますからね! 札束で頬をひっぱたくんですよ!

 「させるんですよ!」では思い描けるだけの悪い金持ちになりきったら、役が乗ったせいか変に勢いがついて、いかに土下座させるべきかを熱弁して

 札束で頬をひっぱたいて屈辱を味わわせる! そういうレジャーとして金を使ってほしいんですよ!

 「レジャー」という言い回しが「踊り」同様変に引っかかったようだけれど、ここは全く狙ってなかった(笑)。
 最初は物を買うことで徐々に一億円を減っていく流れも組み込むつもり(「これにそんな金使うの!?」って笑いを狙って)だったので、ここではやらせるだけやらせて一切金を払わないでおこう(次からなにが来るかわからないから貯っておく)と思い、嫌な金持ちとして「本当に金をやると思ったか!、去れ! 貧乏人が!」と、小芝居をするもまったくウケず。

 こうやって楽しんでもらったら次からが本番。本当に買ってほしいのは

 二枚目のスライドへ。映しだされたのは保健の教科書や病院なんかで見るような口と喉のイラストとそれぞれの部位の名称が書かかれた画像。だから買えるもんじゃねえよ。困った末に出したアイディアは

 これね、女の唇を札束で買うんですよ!

 悪い金持ち再び。

 一億円ありますからね、寄ってきますよ女。それで、ただキスするだけじゃなくて、キスをしながら、えーと……

 少しでも画像を生かそうと思って喉の方に書いてある名称(軟口蓋とか硬口蓋とか)を読み上げていく。ただ、学がないし言い慣れてないしそもそも画像の文字が潰れていて読みづらいしで恐ろしくたどたどしい。で、名称を読み上げてどうしたかったかというと

 キスをしながら人体にはこういう部分があるんだなって考えられるんですよ!

 少しでも画像を生かしたかったからなんですが、無理がありすぎるだろ。客席の反応もいまいちで、なんとか取り返したかったのとさっきのたどたどしい読み上げでザワついたのをウケていると勘違いしたのとで、口の方のイラストを引っ張っていく

 それだけじゃなくてね、皆さん歯医者さんになりたいでしょ? 金さえあればキスをしながら

 ここで書いてある歯の名称をたどたどしく読み上げる

 こういう歯があるんだって勉強できるんですよ! こうやって女と知性を手に入れたら本当に買ってほしいものがこれ

 三枚目は数学か物理の参考書と思しき、「一秒間に回る速度」とか中心の角度がどうのと書かれている図形。だから買えるものを! ていうかここからどうやって物につなげればいいんだよ! と愕然とした。とにかくなにか言わなくてはと画像を、というか文章を見ながら話したら閃くものがあった。

 一秒間に回る速度。なにを回すか……。経済ですよ!

 振り返ればそれ以外話の進めようがないだろうと思うけれど、やってるときはかなりのファインプレーだと思って終わってからもしばらくは自画自賛した。さて、経済を回すと言っても具体的になにをするのか。

 投資ですよ、投資。せっかく金があるんだから増やしましょうよ。どこで、投資するか、

 ここでまた画像の別の部分を「中心」をレーザーポインタで示す。

 経済の中心ウォールストリートですよ!!

 これは開場前の雑談中に出た「アメリカのパワポカラオケ大会の記事がウォールストリートジャーナルに載ってた」って話題に引っ張られてのチョイス。「日本じゃねえのかよ」って笑いもあるかなと思ったんですが、無反応で軽く動揺。

 投資して金を増やすんですよ! それで百億、二百億するんですよ!

 「非現実的にデカくなりすぎだろ」って笑いがあるかと思ったんですが、無反応でさらに動揺。今ならボケとして認識される強さじゃないってわかるんですが、このときは完全に冷静さを欠いていましたね。

 こうやってお金を増やしたらなにを買ってほしいか。これです

 四枚目は中国で建造されている仏像らしき金ピカのバカでかい像。ここまで巡りの悪かった分を取り返すような流れに合った画像で勢いづきました。

 像、建てちゃいましょう! 純金の像建てちゃいましょう! 24金の像建てちゃいましょう!

 無計画に二百億まで膨らんだからどんな成金趣味でも大言壮語できるので発言の力強かったこと。今気付いたけれど、投資あたりから胡散臭いたかり屋にキャラが変わってるな。
 プレゼンしながら気になったのが「純金の像」なのに、画面に映っている像は金メッキでなおかつ建造途中らしく、スライドの下の方にあたるお腹から下の部分が白い地が見えていること。ここは純金と別の宝石か貴金属で作られていることにしようか……

 で、みなさん純金って言ってるけれど、お腹のところ白くない? これ本当はメッキじゃないの? っておもってるかもしれませんが、これね……プラチナ

 どう言ったらゲスく聴こえるかと考え、プラチナはささやき声で。そうしたら僕のプレゼンの中では一番ってぐらいウケた。ここだけは「羽生結弦の踊り」と違って本当に勝ったと言っていいと思う。思うのだけれど、問題はなにとの勝負なのかがわからないこと(笑)。
 で、ウケに気を良くしてもうひと笑いほしくなったのでさらなる無駄遣いのさせ方を考える。行きの電車でみうらじゅんさんの新刊を読んでいたせいで最初に見たときから像のふくよかな顔がある人に似ているように思ったことを使って……

 しかもこれ、本人の像じゃないんですよ。水野晴郎なんですよ。無関係な水野晴郎の像を建てちゃいましょう! 

 個人的にはまずまずの反応でよかったなと思っていたら、終演後スパムちゃんに「狙った割りにスベっていたね」と言われ「あれだけウケたのに!?」と反論したけれど、ここまで狙ったところで無風が続いたせいで感覚がマヒしたのか? この直後も、写真に表示されていた「CHINA」をレーザーポインタで示して

無意味に中国に建てましょう

 と言って無風だったことに焦ったし(これもなんでそれでウケると思ったのかというぐらいボケでもなんでもないことだけれど)。

 こうやって像建てたら残りも三百万円ぐらいになってると思うんで、

 さっきも書いたように始める前は一億円が減っていく過程も組み込んで徐々に減して最後に使いきって終わらせようと考えていたのに減るどころか二百億にまで増えてしまい、このままお金が残っていると話がオチきっていないように思われるんじゃないか心配だったので、オチに向けて一気に減らす。

 その三百万円で最後に買ってほしいのがこれ!

 最後のスライドは悪い顔した蛭子さん。二枚目の読み上げで時間使い過ぎてこの時点で十秒ぐらいしか残っていなかったので、無理に捻らずそのまま終わらせることに。

 蛭子さんの日めくりカレンダー買いましょう! 
 こうやって一億円を無駄にしてください。以上、椙田政高でした!

 表記は政高にしていますが、時間切れに焦りすぎて最後の最後で政高が「たたたた」だか「らららら」だかになるほど噛み倒して終了しました。


 ところどころで外したものの、一本目に比べたら多少はウケて終わったので一安心しました。……いや、ここまでウケたウケなかったって言ってきたけれど、別に笑いを取るのが目的じゃないんだけれどね、パワポカラオケって。
 セミキノコのお二人曰く、僕のプレゼンは評価が著しくわかれるらしく(苦笑)、二本目も点数的には750点ぐらいとそこそこどまりで、一本目が足を引っ張ったせいで順位的には伸び悩みましたが多少なりとも爪痕は残せて予選から勝ち上がった面目は保ててホッとしています。
 大会は二本目で「理想の死」というテーマを独特の切り口と巧みな喋りでプレゼンした中内こもるさんが文句なしの優勝でした。平然とした顔でとんでもないこと言いだすのがめちゃくちゃ面白かったです。


 予選と違って過程も結果も散々でしたが、観るのもやるのも独特の緊張感と面白さがあってすごく楽しいです。次のパワポカラオケは来春に行われるそうで、まだどういう形式かはわかりませんが、またオープントーナメントであったら参加したいです。