秀でよ凡才

出でよ天才と言われても出ていけない男

   今後の予定




   チケットの予約・取り置き希望はsugitamasataka@gmail.comまで

2019年自薦お題編・3Card全お題

 年末ということで今年大喜利で答えた中から自薦して振り返ろうかと思ったのですが、11月の頭にあった世代杯で珍しく調子がよかったから一答ごとに振り返ろうとブログを書きはじめたのに完成しないまま越年濃厚とあってはそれもためらわれるので、代わりに今年出して評判がよかったり個人的にいっている大喜利のお題をいくつか載せます。

 今年からたまに主催をやるようになって、ありがたいことにお題を誉めていただけたので調子に乗った面もありますが、まだ参加されたことのない方にこんな感じのお題が出るんだと参考にしていただければ。

 


・自宅にSASUKEのセットを作る人この番組に出るときにこんな努力をする

・登場人物全員バカしかいないギャンブル漫画に出てきた心理戦

・原始時代を舞台にしたラブコメ漫画「うほこい」のワンシーン

志村けんを育成するゲーム「シム志村」に出てくるイベント

Twitterで「死にたい」や「メンヘラ」と検索すると自殺防止センターの窓口が出てきますが、こんなものを検索するとこんなものが出てくる?

・今年のテーマが「やる気がないからテキトーに」だった24時間テレビ。どんな内容だった?

・プロレスの実況で「これはかわいそうだー!!」なにがあった?

・失敗しても夕飯抜きやスクワット30回ですむゆるいデスゲームに参加したそうですね。他にはどんなところがゆるかったですか?

・バカの作った川柳「春だなあ とっても眠い ムニャムニャムニャ」をもっとバカが添削したらこうなった

・コンビニのバイトに陰で「最強」と呼ばれている客。由来はなに?

・お笑いコンビ「ゆーとぴあ」のメンバーはホープとピース。では悲惨なコントしかしないお笑いコンビ「でぃすとぴあ」のメンバーは誰と誰?

・有名芸人を祖父に持つ高校生探偵が活躍する漫画「漫才師少年の事件簿」に出てきたシーン

・「拾ったパチンコ玉で大当たりする」「全財産つぎこんで万馬券を当てる」みたいだけれどなんだかショボいギャンブルで勝ったエピソード

・元プロ野球選手が経済を解説したり経済学者が天気を伝えるなど使い所を間違えまくったニュース番組

・星のことをなにも知らない人が作ったプラネタリウムではこんな解説がある

・自分や自分以外の物の大きさが違って感じられる「不思議の国のアリス症候群」以外にも物語にちなんだこんな症状がある

・誰一人オセロのルールを知らない「アタック25」では正解したあとこんなことをする

・稲川キュン死の胸キュン怪談

・一週間水と塩しか与えられなかった人がレポーターをするグルメ番組の一コマ

藤子・F・不二雄は「SF」を「すこしふしぎ」と称しましたが他にも独自の「SF」があったそうですね。「SF」の意味と作品の内容を教えてください

・警察署長が「一日橋本環奈」や「一日広瀬すず」など女性芸能人を体験するとこうなる

ドラえもんカルタで競う「ちはやふる」、賭けドンジャラをする「アカギ」などなんだかスケールダウンした漫画

 


 個人的に一番好きなのは「稲川キュン死の胸キュン怪談」です。

 あと、3Cardで完成したお題をすべて載せておきます。

 


 6月17日の大喜利会より


 NHKマニア佐々木
 ロンドン革命女
 ありがとう痛みに耐えた先輩
 紳士日々冒険
 惑星リンゴ合戦
 さらばハンバーグ大臣
 シングルカレーシステム
 中国本気効果
 悪の大人中川
 唐揚げ委員長


 7月3日の3Card単独の会より

 

 ガールおばさん現る
 クワガタ少女曰く
 恋という動物園
 燃え盛る博士ショー
 雨あるある三人組
 クラス対抗オムレツハラスメント
 少年欲求川柳
 発電居酒屋軽やか
 諦めDJの真実
 走れ粉々兄さん
 コンソメ温存の陣
 焼き寿司職人
 公式元気っ子
 正しい塩味だったのに
 お願い架空ケーキ
 第一回全力炒飯
 悪徳評論家再び
 誰もいない大きなコンビニ


 8月19日の大喜利会より


 ダニエルのいない浅草
 寝起きハーレムロケ
 自転車のためのハンバーグ
 注文の多いB級サーモン
 爆破ごっこ代表
 しっかりと侍の判断を仰ぐ
 最速乱暴カレー
 ご当地ガンダム運動
 思春期の神様なんだもん
 どこまでも深刻なマンモス
 バカ二人駅
 最悪男の流儀


 9月7日の大喜利会より


 七人の勇者大学
 高橋ゾンビ死す
 祝キノコテロ
 夢の大丈夫商店街
 最高のビートルズ復活
 全員おふくろジャパン
 ゆるふわスタミナボクシング
 ポジティブ休日シリーズ
 女性初の人生自慢
 悲しみの焼肉ソング
 カフェオレコーラちゃん
 宅配パスタ仮面
 ポケモン天ぷらバーガー
 誰よりもおでんざます
 ときめき校長クイズ


 9月21日の24時間大喜利フェスより


 ありがとう最強チョコレート
 イエーイセクシー皇帝
 謎が謎を呼ぶちょっとだけコアラ
 理論上新宿し放題
 トンカツじゃない方それが今の嫁です
 誰なんだタモリさん

 

生大喜利アンケート 2019

 


・自己診断ランク
D(この機会に簡易実力チェックシートをやったところ甘めに判定しても貢献型の21ポイントでした)


・自分好みの大喜利をする人

 冬の鬼さん
  二年前も同じ項目でも挙げたので迷いましたが、やっぱり外せないので。
 正統派のカッチリしたスタイルはもちろん、勝敗がつかないときにふざけや被せに走ったときもめちゃくちゃ面白くて観る度に笑うと同時にないものねだりをしています。

 アオリーカさん
 僕の場合、あまりよくない発想を小手先のフィジカルでごまかしているだけなので、元々面白い発想を見せ方で幾重にも魅力的にしていてフィジカルはこうやって使うべきだなと力の差を痛感させられます。
 ないものねだりが続きますが、こんな彩り方をしたい。

 いしださん
  答え方は淡々としているのに、一答一答の重みで脳を直接ぶん殴ってくるような衝撃があってアオリーカさんとは別のベクトルでいかに小手先のフィジカルに頼っているかを痛感させられます。


・ライバル

 田んぼマンさん
 けうけげんさん
 字引きさん

 皆さん大喜利やる前から付き合いのある方ばかりなので、ライバルというよりもお互い頑張りましょうやという感じですが。

 田んぼさん
  数年前からEOTの本選などタイマンで当たったときに言う一言を用意してあるので、そういった場に立てるように追いつきたいです。

 けうけげんさん
  大喜利とは離れますがテキストネタの方向性だったり、他の趣味嗜好だったりが似ている分、情熱もクオリティもずっと上に行かれているのでせめて大喜利だけでも勝たねばと。
 ご一緒する機会はあまり多くないですが、一緒になったときは下手なところは見せられないなと気合いが入ります。

 字引きさん
  去年のアンケートでも書いたんですが、前から超短編などで発想力と表現力の凄まじさを知っているので場慣れしたときにどんな世界が見られるのか楽しみだし、そのときに食らいついていけるようになりたいです。
 あと、今だから言いますが鴨川杯など大きな大会の前には「発想のドーピングになれば」と超短編を読み返してました。「悲鳴音階」が特に好きです。


・尊敬する人 

 FANさん
  知り合ったときからずっと面白いし、ずっと発想がどうかしているし、ずっと面白がる感性をアップデートし続けているすごさ。
 春に自分マトリクスを書いてもらったときに「こんな面白がり方があるのか!」と衝撃を受けました。行けていないのになんですが、企画も概要を聞くだけで衝撃で大喜利への固定観念がひっくり返ります。

 星野流人さん
  プレイヤーとしてだけでなく、ルポや撮影などの裏方や主催としての活躍に頭が下がります。いいデータで残りたいっていうのもモチベーションのひとつです。

 虎猫さん(デリトマさん、せんだいさん)
 集計なしとはいえ三人までっていうルールなので代表として(?)虎猫さんを挙げましたが、皆さん、新しい人が入ってくる場をありがとうございます。

・チーム戦あったら組んでみたい人

 協調性と安定感のなさではチーム戦にはあまり乗り気ではないですが、付き合い長いけれど会う機会が少ない人とは組んでみたいです。ともくんとかばろわさんとか。


ネクストブレイク生大喜利する人

 手すり野郎さん
  爆発する回数も大きさも増えてさらに一段昇った感があるので、近いうちに大きなタイトルを取るんだろうなと期待しています。

 中国産さん
  発想の鋭さもイラストの表現力の高さもさることながら、両者の組み合わせ方というかボードを見て意図を理解したときに最大限面白くなる情報量の出し方が絶妙。中国産さんの回答で会場が沸くところが見たいです。

 ベランダさん
  アナーキーなエピソードから伺える人柄や独自のバックボーンが噛み合ったらすぐブレイクしそうだなと。技術とかじゃない唯一無二の物を持っている人は強い。
 
・何かあったら一言
 最近は参加する頻度が落ちてきているのでもう少しアクティブにならねば。
 これまで絶対無理だと手を出さなかったのですが、いざやってみたら主催が楽しくてしょうがない(無理じゃなかったかはともかく)。
 平日で不定期にもかかわらず、参加していただき本当にありがとうございます。少しでも楽しんでもらえる企画やお題を考えるので今後もよろしくお願いします。

24時間大喜利フェスの告知と釈明

 年季ってなかなか明けないねえ……の一言でこの半年強のことを済ませたことにして告知です。

 

 あさって9月21日(土)の18時から22日(日)の18時にかけて池袋GEKIBAで24時間大喜利フェスが行われます。

 名前の通り24時間にわたりいろんな人がいろんな大喜利をし続け、田野さんに至っては24時間ぶっ通しで参加し続けるお祭りイベントで僕は21日の22時20分から行われる「3card」という企画で関わらせてもらっています。

 様々な言葉が書かれたカードを三枚組み合わせてフレーズを作り出来上がった言葉がお題にする企画で、ここ以外一生出会わない文字列でみんなでボケ倒します。

 どうしようか考えたんですが、せっかくの機会なので自作の単語カード全部持っていきます。使い勝手のいいものから書いたはいいもののどうしたものか……というものまで1200枚。どう組合わさるのか全く予想ができなくて不安は不安ですが絶対楽しくなるのでよろしければお越しください。

 

 この企画だけでなく、24時間どこを観ても面白いので他の企画もよろしくお願いします。タイムテーブルや企画ごとの予定時間や料金などは下記画像を参照、予約は以下のリンクからお願いします。

 今のところ大喜利千景の単体のチケットは完売していますが、それ以外は通し券含めてまだ枚数あります。

 

24時間大喜利フェス のチケット購入・予約は TIGET から

 

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 で、ここからは釈明を。

 

 24時間大喜利フェスの告知などでは便宜上僕が考案したと紹介されているこの企画ですが実際は全くそんなことはありません。

 「様々な言葉が書かれたカードを三つ組み合わせてフレーズを作り」という説明で分かる方も多いと思いますが、小林賢太郎さんの「言葉ポーカー」をほぼそのまま流用したものです。

 というか、ずっと一人で遊んでいた言葉ポーカーを人とやりたいがための口実として大喜利とくっつけたのがそもそものはじまりなんですけれどね。

 アイディアが人様のものなので内輪で遊ぶのならともかくイベントなりライブでやるなど必要以上に広げるつもりはなくて、24時間フェスのコーナーに打診されたときも迷いはしたのですが、五年ぶりに復活するアマチュア大喜利界(だけでもないんですけれどね)のお祭りに少しでも協力できるのならばと受けることにしました。

 元ネタそのままではなく出来る範囲で大喜利のお題を作りやすいようなアレンジは加えました。虫のいい話ではありますが、今回限りのこととご寛恕いただければありがたいです。

 

 

 最後に観覧しようかなと考えている方に向けて。

 こういった公のイベントでやることはもうないですが、内々での遊びならまたやることもあるので「もう『3Card』やらないんだ。じゃあ最後に無理にでも観に行かないと!」と焦らなくても大丈夫です。

懇親会のお知らせ

 今年から活動再開でい! と意気込んだはいいものの相変わらずの生活苦ゆえに低ペースも低ペースの日々。今のところネタをやる機会があまりなく、それを打破しようにも主催ライブをやれるほどの胆力もない。
 それならばリハビリがてらに主催ライブや単独ライブほどかしこまったものから始めてみよう。
 というわけで、今度の水曜日に高円寺北区民集会所の和室でネタ五本と企画で一時間ほどのライブを行います。本当に、ご都合ついたらでかまわないので、お越しいただけたらありがたいです。

「懇親会」
会場:高円寺北区民集会所
開場:19時15分
開演:19時半
料金:500円


 ここからは当日やるコントのタイトルを紹介していきます。

  • 「花見」
    • 一年以上ブランクがあるのに全部新ネタで行くのは怖すぎるので一本目はやりなれたネタを持っていきます。
    • 若干季節外れではありますが、はじめて観られる方に名刺代わりの一本になればいいなと。
  • 「小説家講座」
    • 一本目をやりなれたネタにしたとはいえ、五本中四本が新ネタというのも怖すぎるので、以前テキストコント集に載せた「換骨奪胎」という漫才をピンネタに手直ししました。
    • 探りたいと考えている方向性でもあるのですが、はてさて。
  • ハイテンションマッスル
    • タイトルとまったく違ってハイテンションでもなければマッスルでもないのですが。
    • 文無しの僕にしては珍しく小道具を使っています。せっかくの巡り合わせでいただいたものなので、少しでも有効活用できていればよいのですが。
  • 黒魔術部
    • かなり前に思いついたまま放り出していたんですが、今なら作れる気がして書き上げました。知らないうちにに誰かが似たようななこと怖くてしかたがないです。
    • 作っているうちに同じようにかなり前から放り出していた「蜘蛛の糸」というテキストコントが進展したのでこっちも早く完成させたいです。
  • バレンタイン
    • 二月にやるのだから季節ものをと思いまして。二月も終わろうかというころなので季節外れになりましたが。
    • 新ネタ三本のうち最初にできたコントで、あと二本はこれに引っ張られた気がなきにしもあらず。
  • 企画
    • 詳細は語りませんが、即興でたくさん困るはずです。
    • 来場された方にご協力(ベルを何度か鳴らす)いただきたいので、お手数ではありますがお助けいただければ。

大喜利天下一に参加してきました

 少し前の話になりますが、1月13日に第16回大喜利天下一武道会の予選に参加してきました。
 大喜利天下一武道会とはプロアマ入り乱れた大喜利の大会で、今回の予選も東京と大阪で200人以上が参加する日本最大級の大喜利イベントで、今回が五年ぶりに復活僕も僕なりにに気合いを入れて行ってきました。


 前の日にあった予選を見てただ見るだけでもかなり消耗する(無意識のうちシミュレーションしているのもあるとはいえ)ので、なるべくなら早めの出番、なんだったらAブロックがいいなと思ったものの、全部で9ある一次予選のちょうど真ん中のEブロックに。同じブロックで争う五人のうちジャージの顔さん以外は初めてご一緒する方ばかりで、どういう戦いになるのかまったく予想がつかない。


 見ている間はあまり疲弊しないようにあまり考えず笑っているものの、進むにつれて徐々に緊張感が高まる。直前のブロックではポケットに入れただけの投票用紙を紛失したかと取り乱す始末(特に周囲の席の皆様気を散らせてしまいすみませんでした)。
 いよいよEブロック。名前が呼ばれ客席から舞台上へ向かい一礼して席につく。どんなお題が出てくるか不安だけれど、少しでも落ち着いて取り組めるように息を整える。司会の橋本さんのコールと共に背後のスクリーンにお題が出る。そこに写された文字は。

そんなものを夜の港の第三倉庫で取引するな。なに?


 「終わった」と思った。大喜利天下一の特徴として、要素はあるけれど取っ掛かりが少ない歯応えのあるお題が出ることが多くて、この手のお題が苦手なので懸念していたし、練習会にも積極的に参加して対策もしてきたけれどいざ出されたら絶望しかない。
 こういう幅の広いフレーズお題でなに出していいかわからなくて答えられないうちに周りがバンバンウケて、なにか出さなくてはと恐る恐る答えてもいまいち反応がないことに焦った挙げ句、思い付いた単語を精査せずに粗製乱造して自滅する。これをなんど繰り返してきたか。
 これまでやらかした数々の破滅がフラッシュバックしてパニックになっていたけれど、それとほぼ同時にお題を見て反射的に「第二倉庫」という言葉浮かんでいた。
 お題をちょっとイジっただけの小手先のボケで、ウケてそこそこ下手すりゃ大スベりであまりいい手とは言えない。でも、いい手とは言えなくても、フレーズセンスの勝負が始まったら手も足も出せなくなるから、軽くでもなんでもいいのでひとまず出しておいた方がいい。埋もれるよりはアリバイ作りとしてでも答えた方がいいと判断してホワイトボードに書き出す。
 自信がないせいで字が小さいのも焦りのせいで字が汚いのも気になったけれど、先にボケられた瞬間に鮮度がなくなるスピード勝負のボケだから書き直している暇はない。最後まで書き殴って挙手をする。ほぼ同じタイミングでジャージの顔さんも挙手したけれど間一髪で先に指名された。焦りからマイクの取り方や持ち方がおぼつかないけれど、できるだけ落ち着いて答えるよう心がける。

第二倉庫

 会場のあちこちから笑いが起こる。よし! ウケた!
 爆笑には遠く及ばないけれどまずまずの反応。想定内のウケ方とはいえ想定した中ではかなりいい感触で、とりあえず露払いにはなったことに安堵して本格的な有効打になるボケを考えねばと気を引き締めたところで次いで指名されたジャージさんが答える。


 「プチシュー」。


 会場の大爆笑をサイレンにフレーズセンスでの殴り合いが幕を開ける。
 さっそく勝ちを決めたのでは? これまで予選を見ていて一答目だけでは決まらないと重々承知していとも、「勝因」としか思えないほどのジャージさんの大爆笑に絶望、このあとに出すことになったらウケるわけがなかったから助かったというさっきとは別種の安堵、これを上回る笑いをとらねばという焦り、「これじゃ完全にジャージさんの前座じゃねえかよ!」っていう悔しさ、はじまっちゃったという恐怖でごちゃごちゃになりながら強いフレーズを探し始める。


 今思えば無意識のうちにでしたが、なんの縛りのない純粋なフレーズセンスの勝負をしても勝ち目がないからと、犯罪を匂わせるお題ににそぐわないものを考えてその周囲にある強いフレーズを探していました。このシチュエーションにそぐわない交渉で考えると、まず国家間の交渉が浮かんで、そこからの連想で領土や領地、国境線、領空、領海、排他的経済水域……と広げてみたものの、いまいちしっくりくるフレーズが見つからない。
 ならば国家間の交渉からズラして人権が思い付くも、キング牧師的なことにしろリンカーン的なことにしろ題材がセンシティブなだけに扱い間違えたら不快感が出てしまうので躊躇して結局この方向性からはなにも出せず。


 そこで、「ドラマとかだとこういう場合よく取引するのは麻薬だよな……」と立ち返ると、「絶対にやっちゃいけないことなんで」と前フリをつけて「麻薬」と答えることを思い付く。
 第二倉庫と同程度の小手先のボケで今さら出すものでもないけれど、まだやりようによってはウケるし、なにより出せないままよりはジャブでもいいからもう一回打っておきたかったので行くことに。
 思いっきりわざとらしくするか、しれっと答えるか、正義感を見せながら言うか……。どう読み上げるかを考えながら麻薬の薬のくさかんむりを書いたところで予想外のことが起こる。はかいこうせんさんが「ジェネリック覚醒剤」と答えた。


 被った。被った上にジェネリックのっていう絶大に魅力的なワードがのっかってめちゃくちゃ面白い。事実、会場もめちゃくちゃウケている。もう出せない。さらにトドメを指すかのように橋本さんが「どんな覚醒剤でもダメだよ!」と言われたかったツッコミを入れている。僕は力なくホワイトボードの文字を消すことしかできなかった。散々、焦った焦ったと言いましたが、この瞬間が一番焦りましたね。


 とはいえ、諦めるわけにはいかないのでなんとか考える。もう麻薬は出せないから、麻薬とは別にこういうシチュエーションで取引しそうなものを考えると「人質」が浮かぶ。人質にある緊張感をぶち壊すものを。真逆のものを。と、考えて浮かんだフレーズをそのままくっつける。

特製なんですけど、人質パイ

 前フリの部分はよく覚えていない。「人質特製なんですけれど」だったかもしれないし、なにも言わずに「人質パイ」とだけ答えていたかもしれない。
 爆笑とまではいかないけれどそれなりに強いウケは取れた。他の人と比べたときにどうかはわからないけれど、有効打といっていいと思う。ジャージさんの優位は覆せなくてもちょっとだけ流れをこっちに寄せられたか。


 で、ここから調子を出せたらよかったんですが、むしろウケた分、麻薬で青写真通り手堅くウケていたらさらに流れが変わっていたのでは? という未練が出てしまう。
 麻薬を出せなかったから人質パイが出せたのはわかっていても、打つ手がなくなったことで都合のいいたらればが頭をかすめ続けてしまう。それを払って考えようにも第三から引っ張られた「名門第三野球部」。しまいには「名門第三倉庫部」しか浮かばない。さすがにこれがウケないぐらいの線引きはできたので、なんとか思考を先に進ませるために麻薬ともども処理することに。

名門高校の麻薬

 そりゃそうだよね。というぐらいの静かなウケ。むしろ、全くの無反応じゃなかっただけ想定より。消すときに「そりゃそうですよねえ。すいやせん。エヘヘ」てな卑屈さがにじんでいなかったかちょっと不安。


 ここから仕切り直していきたかったものの、この葛藤で時間使いすぎたため、もう時間終了後の最後の一答(俗に言うマジックタイム)しかできなくなっていた。成仏させる意味もこめて形にできなかった固い言葉で終わらせることに。

自由と権利

 少しでもウケるように「自由と」のあと少しタメを作ったけれど、並ぶワードとして意外性があるわけでもないし、そもそも「自由」の時点で倉庫での取引としては違和感のあるフレーズなんだからどれだけ効果があったのやら。



 こうして一問目が終了。あまり人のウケまで気にしている余裕がなかったけれど、それでも「プチシュー」だけでなく後半でも「コミックボンボン」で爆発させたジャージさんが圧倒的に優位なことぐらいはわかる。僕はといえば「人質パイ」がそこそこで手応えは全然ないけれど、まだ二位争いは確定していない感じだったのでとにかく二問目に望みを託すことに。
 天下一に限らず印象審査のお題で劣性を跳ね返したなんども見てきたし、僕も数は少ないけれど(天下一の緊張感のなかでは比較として心もとないけれど)終盤に劣性を跳ね返したこともあるからと、すがるような思いでお題が出るまでのわずかな時間を過ごす。




 二問目は画像お題。昔話の絵本かなにかからの引用か、三人の子供たちが一匹の白蛇を囲んでいじめている(?)イラスト。
 人物や動物が出ていたら台詞で答えるのは画像お題の常套手段ですが、僕の場合は感情乗っけた方が(比較的)向いているので画像では絶対台詞で考えようと決めていたのでいくらでも台詞が言える画像でちょっとだけ強気になれた。わずかな強気を原動力にして台詞を言いやすそうなキャラクターから考えていくことに。
 まず一番に目を引くやられている白蛇の台詞を考えてみたけれど、どうも上手くいかない。次にキャラクターを乗せやすそうだし見た印象を裏切るボケもできそうな棒を持っている主犯格っぽい子供やその子分らしき子供で考えたけれどこれも上手くいかない。
 そうこうしているうちにすっかり出遅れてしまいわずかな強気もすっかり消えたところで最後に残った子供に注目してみる。パッと見ただけでは大雑把に白蛇といじめている子供三人と認識したけれど、最後の子供はちょっと離れていて表情ものんきそうで、いま見つけたところかなんだったら止めに入ろうとしているのでは? と思ったら止める台詞でボケが浮かんでいた。

なあもうやめなって。おいら博愛主義があるんだ

 言わなくていいことを説明するっていうのは頼りがちだし、出遅れた分を取り戻せたわけでもないけれどそこそこのウケは取れた。このあと他のキャラクターの台詞も考えたけれど、この一答で思考のクセができたのか結局全部この男の子目線のボケになって、これも思考のクセになったのか止める理由で考え続けた。

なあやめなよ。この村の民度が疑われるよ

 博愛主義と大差ないぐらいのウケで完全な無駄打っていうわけではないけれど、ここは拙速だった。そんなに強くない「民度」の響きの面白さに頼りきっているだけだもん。これならやめる理由が人の目を気にしてってどうなのよ? ってところを掘り下げた方がよかったな。


 次に、止めるのに「蛇をいじめるよりもっと楽しいもの、いいものがあるよ」っていうズレた理由を持ち出すことを思いつく。しょうもなくて緊張感の消せるものって考えたらパンが出てきて、いま思えば一問目のパイの焼き直しなんだけれど、そこに気づく余裕を失っていた。昔話の世界観のズレは気になったけれど、そこもツッコミどころとして見てくれたらいいなと思ったけれどここも考えが甘いな。
 で、漠然としたパンよりも具体的な方がいいだろう。どうせならあまり聴かない名前のパンなら引っ掛かるな。と、こう答えました。

なあそんなことよりあっちに行こうよ。レモンパンがあるんだよ

 この日一日たくさん反省するポイントがあったけれど、これが一番だな。なんだ、レモンパンって。「なんだそれ?」って引っ掛かりを狙ったけれど、この場合の「なんだそれ?」って引っ掛かりはフックじゃねえよノイズだよ。まだメロンパンならウケなさは同じでもただウケなかったで終わるけれど、これだと「レモンパン」が邪魔になってボケが伝わりきっていないからな。
 名門高校の麻薬とどっこいどっこいぐらいの静かな受けだけれど、少しは笑いが帰ってきただけまだマシか。


 この完全な無駄打ちに焦ったあとこう答えました。

こういう娯楽しかないところが限界集落の悪いところだよね

 ここはなんてボケたか細かく覚えていないです。蛇をいじめることを他人事として外から見る感じで娯楽とか限界集落とかを絡めて答えました。
 いじめすらも娯楽として消費される閉鎖的な息苦しさを軽く扱うギャップを表現したかったけれど上手く伝わらなかったな。……ってか、書いていて思ったけれど僕は茂木健一郎に気に入られたくて大喜利やってるのか? レモンパンよりはちょっとウケたかなという程度のウケ。せめて「これを楽しいとするのならば感情なんてなくなればいいのにな」ぐらいは捻ればよかったな。というか、三分で五答って僕のペースからしたら明らかに答えすぎだから、全体的にもっと練ればよかった。


 そして、制限時間の三分が近づき最後の一答へ。
 ここまでのどのタイミングでだったかは覚えていないですが、人羅さんが爆発を起こしていて、これも細かくは覚えていないのですが「お前らなにしてんねん」と怒りだしてから「見とれ、やったる」(見てるからやっとけってニュアンスだったかも)と答えて、どんな着地の仕方! って答え考えるのそっちのけで衝撃だったし、この画像だけ元のサイト(?)の名前が書いてあるのをイジる、下手にやったら大ケガしそうなボケでも爆笑とっていて、ジャージさんも一問目の勢いそのままウケていたのでこの時点で形成はかなり不利になっていました。
 それでも最後の一答で逆転は不可能じゃないと考えていたら、子供たちの見た目からなのか「忍たま乱太郎がやってくる」が降ってきた。ただの「忍たま乱太郎」じゃなくて祝日や大型連休の午前中とかにやっていた着ぐるみのショーとアニメ何本かが交互にやっていた方ね。
 思い付きそのままに「忍たま乱太郎がやってきたよ!」と答えそうになったけれど、これじゃレモンパンの二の舞になりそうだったのでもうちょっと掘り下げることに。
 しばらく考えたら素行が悪いせいで忍たま乱太郎のレギュラーなのに収録に呼ばれないってボケが浮かんだので「こういうことやっているから忍たま乱太郎に出られないんだよ」と答えようとしたけれど、これだと二通りの意味に取れるなと気づいた。ノイズにならないよう言い回しを変えようとしても「レギュラーなのに呼ばれない」をスマートにする言い回しが浮かばなかったので別解の方に切り替える。
 推敲しているうちに最後に答えることになって、待たせている分、ハードルが上がってやだなあ……と思ったものの、他の人の答えを気にしなくていいから落ち着いて答えられました。

なあなあ、やめなって。こういうことしているからおいらたち忍たま乱太郎のオーディションに受からないんだよ

 ウケたはウケた。ただ、結局はこれもそこそこ止まりで最後まで爆笑には届かず。「なあなあ」のところでちょっと笑いが起こったときは結果的にそれしかできなかっただけとはいえ、貫いてよかったと思った。




 天下一では一番面白かった人にだけ投票するので、爆笑を起こせなかった僕にはどう考えても勝ち目がないし、そもそも票が入らないだろうと、舞台を降りる瞬間から悔し泣きをこらえるのに必死だったぐらい無力感にさいなまれたので、予選終了後の集計時間に何人かの方から面白かったですといっていただいたときは本当に嬉しかったですし、結果も一次予選で敗退したとはいえ僕以外にも十二名の方から投票していただいて泣きそうになるぐらいありがたかったです。
 次回も開催されるのかはわかりませんが、いつあってもいいように精進します。主催および運営の皆様、参加された皆様ありがとうございました。

一月の予定

 去年の秋から事情により一人暮らしとそれに伴う生活苦を始めることになったので、様子見がてら一年ほど活動休止と洒落こみますか。と、誰にも言わずに決めてから一年。

 フリーエントリーの大喜利ライブや大会を除いて客前に立たずひたすら生活をしてきました。

 そして、現在。お笑いをやらなかったところで当初予想していた生活苦となにも変わらず「だったらお笑いやってりゃよかった!」と喉の手術で休養する前の合点オミさんみたいなことを思ったので来年からはまたちょくちょくライブに出ることにします。

 この一年やって生活だけで生きるのは無理だと悟った。いや、そんなことは重々承知していたけれど(でなきゃ、人生の1/3を引きこもりで過ごさないって)、切実な危機感とともに痛感し直したので、これからの人生をまともに生きるためにまともな生き方をしない。そんな逆説的ないしはレトリックのような道を目指します。

 

 

 昨年の秋からバイト先では人並みの仕事ができないばっかりに、「長時間労働なのに一切休憩時間がない」、「早朝から出掛けなきゃいけない」、「もっと早朝から出掛けなきゃいけない」の三つの現場をコマネズミのように走り回らされ、それでいて時給は千円。この劣悪な労働環境で毎秒ごとに心を荒ませ人としての心を失っていく毎日。

 それでもいいことがひとつだけあって、今まで自分に面白いことを考えたり面白い行動を取ることで身をたてられるほどの才能があるとは全く思っていなかったのに、労働で精神を磨り減らすうちに「ふざけんなよ。椙田政高だぞ。こんなところで安く使い潰されていい存在じゃねえんだよ」と、変に自信(過信か?)が芽生えたことですね。こんな認め方したくなかったけれど。

 

 

 ……というのは疲れが言わせたうわ言の類いとしても。

 長嶋有(まさか二日連続で長嶋さんの名前を出すとはね)がyes,mama ok?のCDボックスに寄せた文章に

才能のある人間が動かないとき、周囲はもどかしくなる。だけど、動かないってことも「選んでいる」ことで、実は表現だ。彼が「あのとき動かなかったことの正しさ、格好よさ」は、もう少し時間がたたないと分からない、かもしれない。

 という一文があって、はじめて読んだときからこのくだりが心に残っていたのだけれど、この一年自分に対してずっとそんな気持ちでしたね。

 一年……いや、養成所に通ってからの十年間ずっとだな。

 表現するつもりも選ぶつもりもなく動かないことを(結果的に)選んできたから正しくならなければ格好よくもならないし、そもそも周囲の人をもどかしく思わせるほどの才能もないですが、僕は僕自身が動かないことがもどかしいし、動くことを待ち続けているんで来年はちゃんと活動しますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 ……あれ? 敬愛する小説家のコメントを引用して小洒落た感じで締めたと思ったけれど、「だったらとっとと動けよ!」という至極当然のツッコミが入るだけの破綻したいいわけにしかなっていない!

 

 

 えーと……。なにはともあれ来月出るライブの告知です。

 

新春わいわい大喜利フリー千景 1月2日(水)

 

会場:池袋GEKIBA

開場:14時15分

開演:14時30分

料金:500円

 

大喜利ROCKET杯 1月6日(日)

 

会場:CHARA DE asagaya

開場:16時45分

開演:17時

料金:1000円

 

大喜利天下一武道会東京予選3 1月13日(日)

 

会場:高円寺スタジオK

開場:14時

開演:14時30分

料金:1000円

 

ぶちぬき魂!プレーオフ 1月14日(月・祝)

 

会場:新宿バッシュ!!

開場:12時45分

開演:13時

料金:500円

 あと、まだ出場者が発表されていないんですが、ぶちぬき魂!プレーオフと同じ日にパワポカラオケ選手権があります。出場する場合はもちろん、開演までの時間にオープン参加できるのでダメだったらそっちでやるつもりなんでよかった観に来てください。

全NIPPONパワポカラオケ選手権

 

会場:阿佐ヶ谷LOFT

開場:18時

開演:19時

料金:前売2000円/当日2300円(飲食代別・ワンオーダー500円以上必要)

 来月から動き出すといいながら、R-1出てねえじゃねえかよって話ですが。一月後半もなんらかに出るつもりなのでよかったら観に来てください。

今年の自画自賛

 今年一年の大喜利の中で出した回答を自画自賛しつつ振り返ったり振り返りつつ自画自賛します。

 太字にしたのがボードに書いた文字で、『』でくくったのは回答中の台詞部分を表しています。

 記憶に頼って書いているので大体の場合でお題は意訳になります。

 

お題 「子供王国の憲法

 

回答 日本ではビールに税金をかけたら安く飲める発泡酒ができてそれにも税をかけたら第三のビールができたように、カレーに税金をかけたら冷や麦にとろろをかける第三のカレーができた

 今年の大喜利始めで最初かその次に答えたお題。地獄大喜利(出した回答と暫定チャンピオンとして残っている回答を比べて最終的に残った答えを出した人が勝つルール)形式で滑り込みで出して勝ち残れた答え。

 まず、一年間ずっと引っ掛かっているところにツッコミを。憲法関係ねえよ!

 閑話休題。この頃、スーパーで品出しのバイトをやっていて酒類も担当していたので常に「第三のビール」がフレーズとして頭にあって、いつか使えないか片隅で考えていたので「子供が飲めないビールはどういう扱いなのか」あるいは「この国でビールに当たるものはなんなのか」と、いささか安直ではありますがビールを軸に組み立てる発想になりました。

 「ビールを子供に置き換えると……カレーだな」「第三のカレーでカレーじゃないものをカレーに見立てよう。なにかをなにかにかける料理……冷や麦にとろろだな」と大半はすんなりと決まったのですが、第二のカレーが浮かばなくてかなり困りました。

 目立つ部分じゃないとはいえフリの一部だから第二のカレーがないことには完成しないので一度は回答を諦めようとしたぐらい。ハヤシライスが出てきたときは天啓を得たと震えましたが、それ以外になにがあるんだよ。

 灯台もと暗しどころか目の前にあるものが見えなくなるのだから大喜利は冷静さを失わせる(僕だけだろ)。

 

お題 「クソサイコパステスト」でクソサイコパスが出した答え

 

フローチャート式のテストなんですけれど、一問目のサイコパスですか? にはいでもいいえでもなく、『サイコパスだパス!』って独自の選択肢で答えている。(イラスト回答)

 三人一組のチーム戦で様々なタイプのお題が出る戦の練習会で三分間一問一答ルールだったときに出した答え。今年のテーマが「腰を据えて考える」だったので、腰を据えるチャンスだと自分から出ていきました。

 このお題は「クソサイコパステスト」の定義に悩んだのをよく覚えています。

 サイコパステスト像から広げてクソなサイコパステストを答えればいいのか、サイコパス像から広げてクソサイコパスを見極めるテストを答えればいいのか、どうすればいいのか。

 前者と解釈して(これを書きながら、後者だと発想の飛距離やフレーズの強度勝負になりそうで無理だと判断したからかもと気づいた)「サイコパスですか?」と一問目で終わらせる、それでいて「本当のサイコパスは自認しねえだろ」って思わせられる後者にも目配せしたボケを考えたものの肝心の面白が弱すぎるので棚上げすることに。

 次にベタなサイコパステストである葬式の問題をイジろうと試みるも、肝心の問題文がうろ覚えだし個人的にあんまり使いたくないなあ……と悩んでいるうちに時間もなくなって棚上げしたボケに立ち返ることに。なにがきっかけだったかはよく覚えていないけれど、最後の最後に独自の選択肢って要素が浮かんだおかげでテストも回答者もどちらもカバーできてよかったし、ちょっとだけ次のレベルに近づけた気がする。

 まあ、語尾に関しては何年も前の転脳児杯の予選で珍しくちゃんとウケた回答に「胡散臭い歯医者に虫歯予防法を質問したらこんなことを言われた」ってお題に出した「『プラークコントロールプラークコントロール』語尾がプラークコントロール」ってものがあって、それの焼き直しじゃねえかという気もするけれど。

 

お題 メンバーが野菜だけのバンドの特徴

 

しなびたメンバーを紹介するぜ!

 これまた戦練習会で「?」になったとき(変則的なお題が出て審査員七人中四人から票をもらえないとポイントを得られない)。そのときチームを組んでいたのが生大喜利始め立ての人(ニシダさんだったかな?)だったので、変則的なお題当たらせてトラウマ作らせるのもなあ……と出たらどストレートなお題で驚いた。

 ボケに関しては早い者勝ちのアイディアなんで特に言うこともないんですが、珍しくウケると確信してしっかりウケたし、お題発表後でザワザワしていたのが収まるのを待てる冷静さもあったのでこのときの感覚を忘れないようにしたいなと。

 あと、ウケてから欲目が出て浮き足立ったのでそこで落ち着けるようにならないとな。

 

お題 官能小説専門学校で教えている内容

 

『皆さんはこれから人間の快楽を表現していくのです。そのためには体をどのように刺激すれば気持ちいいのかを実際に知る必要があるのです』って言われて、そこから先は指圧の専門学校と全く同じだった

 こちらも戦練習会の一問一答ルール。エロお題は苦手だし、途中で気づいたら右隣にいる(右に座っている人から順番に答えていくので僕の直前に答えることになる)のがお粥さんだしで頭を抱えた思い出。

 泣き言を言っていられないので課題マトリクスよろしく官能小説にまつわるフレーズを書き出してみるも団鬼六フランス書院で力尽きる。

 そこから官能小説→触る→指圧の専門学校と連想したけれど、ボケが弱いしなにより直球でエロを求めているので(お題が出たときからこれはハネそうって期待がすごかったし、三分ずっと期待したままになるからなおのこと)外したところで勝ち目はないからボツにする。

 とはいえ、その直球のエロが出せないから苦しんでいるし、一度は消したホワイトボードにフランス書院と書いただけで手が止まっているので指圧の専門学校で勝負することに。

 オチがイマイチなんだからせめて前フリを厚くしてやれと、出す直前まで台詞を繰り直して表現に重複がないかとか言い淀んだりしないか何度も声に出さずに練習した(この必死さを普段から見せろよ)。その甲斐あってか、僕の前に答えた急遽さんとお粥さんが大爆発したあとでもちゃんとウケてめちゃくちゃホッとしました。

 ウケたとはいえ笑いの量で言えばそのとき答えた七人中で七位だったので、やっぱり直球の破壊力で挑めないとダメだよなという反省もありますが、僕なりのやり方というか持ち味で答えられたのは収穫だったかなとも思っています。

 あと、前フリのときはイッセー尾形さんの「指導員」がイメージにあったのだけれど万分の一も再現できていない。

 

 

お題


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回答 この直前にスネ夫に自慢話をされたんですけれど、『外車をレンタルしたんだ!』とか『夜行バスで旅行に行ったんだぞ!』とか骨川家没落のちょうこうが見えてしまった

 EOTをしがむ会より。

 兆候がひらがななのは漢字を思い出せなかったからで原文ママです。ひらがなであるノイズよりも、「没落の兆候」というあまり口にしないフレーズを重ねる方がお釣りが来ると判断しました。

 一問六分で割と終盤だったのにまだスネ夫がイジられていなかったので、じゃあスネ夫で考えようかなというのが発端。

 スネ夫のどこをイジるかといったら自慢なわけで、ちょうどこの頃、岡嶋二人「三度目ならばABC」を読み返していて(関係ないですが僕が架空の男女漫才コンビのネタを書く際の参考文献のひとつなので、もし興味ある方がいれば読み比べて露骨だなと思っていただければ幸いです)、借金がかさんでも生活レベルを落とせなかった登場人物が出てくることもあって、頭に残っていた「生活レベル」とが結び付いて大枠が決まりました。

 スネ夫の自慢からブルボン小林「マンガホニャララ」で紹介されていて印象に残っていた北海道旅行を元に考えてっいったので、最初は「ジェットスターで旅行に」ってボケにするつもりでしたが「言っても飛行機乗ってるしなあ……」と夜行バスに。「夜行バスで北海道に」と具体的にしようかとも迷ったけれどどくどくなるので場所は特定しないことに。

 「外車をレンタル」はフリを厚くするための数合わせだったんですが、帰ってから「マンガホニャララ」を読み返したら、ふらりと行った北海道をレンタカーでドライブしたとあって(北海道に行くインパクトが強すぎてすっかり忘れていた)軽く肝を潰しました(苦笑)。

 

お題 調子の悪い桑田佳祐カルタのま行

 

ムーミン面白いなあ

 アンチ稲葉の大喜利会で田野さんの企画から。くじ引きで決定した行の五文字(このお題だとまみむめも)から好きな一文字を使って答えるルールでした。

 とりあえず答えてみてから「これは似ていない桑田佳祐のモノマネで桑田佳祐が言わなそうなことを答えればいいんだ」とわかり、珍しくちゃんとふざけられたお題でした。

 この企画は審査員三人中二人が面白いと思ったら回答で使われている字を獲得して最終的にどっちが多くの文字を獲得できたかを競うチーム戦で、このときは「む」が空いていたのでむから始まる言葉を探したらムーミンが出たのでこの答えに。

 別に調子の良し悪しにか変わらずムーミンは面白くていいわけで、そこをツッコまれたときのいいわけに「熱出して寝込んだ桑田佳祐が再放送のムーミンを観ながら言っている」図を描いたけれど、「別にいいだろ!」がノイズではなく面白に転がってくれたので説明せずにすみました。 

お題 調子の悪い桑田佳祐カルタのま行

 

モスバーガー (そうねハンバーガー) モスバーガー(ちょっと美味い)

 同じお題でもうひとつ。これも「も」発進でモスバーガーから作りました。

 桑田の発言と考えたら()でくくるのが逆なのでは? とか「まだ早い」も替えた方がよかったのでは? とか引っ掛かるところもあるけれど、まあ、いいや。シンプルに自画自賛しますが、そうねハンバーガーのなにもなさが好きです。

 

お題 このストーカーちょっとワクワクするな なぜ?

 

は、ハンバーグの食べ放題に行きませんか?

 これもアンチ稲葉の大喜利会で出したやつで即席で作った三人チームでのトーナメント企画での答え。

 一答目をストーカー発進で考えて答えたら心が折れるほどスベった(「ゴミを漁ったあとに紫のバラを置いていく」という答えだったので「ガラスの仮面」にも申し訳なくてより落ち込んだ)のでワクワクから考えて、「ワクワクするもの……食べ放題」、「なにが食べ放題だったらワクワクするか……ハンバーグ」と小学校低学年の連想ゲームでたどり着いたらウケてくれたので助かりました。

 

お題 ゾンビの世界のテレビ番組

 

池の水ゾンビ抜く

 超加点練習会より。

 単純なダジャレだしウケもそれなりにという感じで特筆することはないのですが、これを答えたあとに「いないいないぶわああああああ!」というボケを思い付いて一回はボードに書いたものの「会も終盤だし、もうフィジカルもいいだろ」と変なこだわりで出さなかったら、終わってから進行していたネイノーさんから「あれ出せばよかったじゃないですか」と言われ「確かに」と思ったので(すぐ変節するこだわりだ)供養として残しておきたくて。

 

お題 「敵対した相手グループを一人で倒した」「熊を素手で倒す」みたいな先輩の伝説

 

でっけぇこととだけ書かれたクラウドファンディングのページで八百万集めた

 夏の平日大喜利会より。

 この少し前にかさのばさんが出した「暴力を募集している」(意訳)って回答でフリーハグのパネルみたいなものを持った人のイラストを描いていて、それ見てから「フリーハグ」が離れなくなって使わなきゃ次のボケに行けなくなったのだけれど、さすがにそのまま答えるわけにはいかないので、広く募るものから連想したクラウドファンディングに発想をスライドさせることに。

 そこによく使われるヤンキーあるあるの「でっけぇこと」を組み合わせてこうなりました。

 金額がいいかパーセンテージがいいか迷ったものの、目標額がわからないんだから無闇に大きい数字と伝わればいいかと八百万を選択。数字ボケは難しいですが無難に落とせたかと。

 あと、例として「熊を素手で倒す」って荒唐無稽寄りなエピソードがあったのでこの答えを出しやすかったですね。

 

お題 寿司と爆弾が反対の世界

 

(手を叩いてからすしざんまいのポーズをして)ボカーン! ボムざんまい

 超加点スピードスター杯より。

 先に100ポイントに達した人から本選進出が決まるルールで最後の一枠がかかっていたのでお題を見た瞬間からフル回転させてすぐにたどり着きました。

 声も含めて力でのゴリ押しを狙ったのですが、あと一歩届かず。とはいえ、今年の大喜利で二番目にウケて(一番はのちほど)嬉しかったです。

 焦ったせいかポーズを間違えていて、やる必要のない手を叩く動作を入れてしまったのですが、結果的にフックになったのと爆発っぽさが増してよかった……と、言い聞かせています。

 この日はこれ以外サッパリだったんですが、この一答で運営賞もらえたこともあって何回も爆発起こした方々と同じぐらいしがんでもらえて得しました。

 

お題 天国行きか地獄行きを決めるのになんだかゆるいな。なぜ?

 

閻魔がアルフィーのバンドTシャツで来ている(イラスト回答)

 1500より。

 お題が出てからずっと「喪服」の二文字が頭にちらついて離れなくて、緩くないから使いようがないとはいえ無視できなくったので喪服発進で考えることに。

 まず「閻魔が喪服で来ている」と浮かびそこから喪服を変えてみよう→「閻魔が私服で来ている」もう少し具体的に→「Tシャツと短パン」さらに具体的に→「バンドTシャツ」さらに具体的に→「アルフィーのバンドTシャツ」と変わっていきました。

 たどり着いたのが擦り倒されたアルフィーってのはいまだにどうかと思いますが、珍しくちゃんと捻り続けられたのはよかったかなと。

 あと、この頃から絵が下手だからと避けてきたイラスト回答にも下手なりに意図が伝わりやすくなるならば、あるいは下手なのを逆手に取れるならと挑戦していて、この回答もTシャツの胸にアルフィーと書き殴っただけのイラスト回答と呼べるほどのものでもないですが、文字で終わらせるよりは格段に良くなっていたかなと。

 出す直前にTHEが抜けていると気づいたのを肩口に「ジ・」と付け足すだけで済ませる雑さも画力のなさゆえなので機会を見つけて探っていきます。

 

お題 ミリオネアに加わった全く使えないライフライン

 

みのもんたに面白いRPGある? って質問したら教えてくれるクロノ・トリガー

 残りはすべてKUMITEより。これのひとつ前に「ライフラインっぽい響きのもの」と「繰り返しの二度手間」から考えて出した「クラムチャウダーを振る舞ってくれる クラムチャウダー」がそこそこウケたので、同じような方向性でいて直接繰り返すんじゃないアプローチを……と出したのがこの答え。

 曖昧な記憶ですが、これがタイムアップ後の最後の一答(俗に言うマジックタイム)だったのにそれまでみのもんたの名前を出した回答がなかったのも意識していたような気が。

 ウケたはウケたものの、振り返りで書くほどの爆笑がとれたわけではないのですが、タイマン相手の八尾さんがずっと面白すぎて早々に白旗をあげたなかで最後まで粘れた当時の自分を誉めたいなと思ったので(苦笑)。

 

お題 ヤバイ山下清「ぼ、僕は○○」

 

ぼ、僕はおにぎりマンという名前で週末だけロックマンのボスをやっています

 この前にも「僕はおにぎり 君は鮭 二人でひとつ LOVE&PEACE」とかそれなりに有効打はあったものの、対戦相手の字引きさんの方が優勢で焦っていたし終盤だしで発想がカスッカスになっていて「おにぎりマン」しか浮かばなくて、ここからなんとか答えに持っていこうと「キン肉マンの超人をやっています」ってボケを思い付くも、ウケるビジョンが浮かばなかったので別の方向で考えることに。

 とはいえ、キン肉マンの他にマンのつくものはロックマンのボスしか浮かばない。それでもキン肉マンよりは名前にギャップがある分まだいいだろ、と覚悟を決めて、最後の足掻きで週末だけと付け足す。あまり自信はなかったのですが、予想外にウケてくれて辛くも勝てました。

 普段ならこれだけこねくり回したらピンとこないところに着地するし、というか振り返っても増築の仕方が雑でよく勝てたなと思う。ここは前よりも見せ方に気を配れたおかげだと信じたいです。

 

お題 バグったサラリーマンが詠んだサラリーマン川柳

 

『社長死ね 女房も死ねよ パルメザン』『もう嫌だ 家庭も会社も モッツァレラ』って最後チーズで締めてる

 おにぎりマンのおかげで掴み取った一戦。

 バグったというからサラリーマン川柳にはない暴力的な言葉だろうな。と、最初に「社長死ね」が浮かんで、それに合わせて「女房も死ねよ」と重ねる。

 これでもう下の句の五文字でボケるしかなくなったので、どうしようか考えたら「関係のない言葉が急に出てくるのはバグっぽくていいんじゃないか」とひらめいて五文字の単語を探すと真っ先に出てきたのが「パルメザン」。

 これじゃちょっと弱いな……と別の言葉を探したのだけれど、なぜかこのときチーズで探して「『マスカルポーネ』字余りだな。『モッツァレラ』おお! これなら五文字だ! あ、じゃあさっきのパルメザンと合わせて最後に関係ないチーズで締めている方がよりバグっぽいな」とひらめいて急いで対になるような句を作って答えた。

 これが今年、それどころか人前で大喜利やって七年で一番ウケた回答。0点の発想から繋げて

 

お題 バグったサラリーマンが詠んだサラリーマン川柳

 

やあみんな! 僕の名前は 川平慈英って川平慈英川柳に出すものを間違えて送っている

 いくらウケたからといって一答だけで終わらせる訳にもいかないから……と五文字ないし五音になるものを探して最初に出てきたのが川平慈英で、とりあえず上の句に入れて考えてみるも「川平慈英 理想の上司 川平慈英」みたいに繰り返す形でしか使えない。

 「じゃあ、下の句でオチにするか」と考えたらすんなりと「やあみんな! 僕の名前は」が出て来て、この適当さも悪くないとはいえ、唐突さがあるのでなんで川平慈英かの説明として川平慈英川柳。

 サラリーマン川柳なのに別の川柳に出すものを送るのもバグ(チーズ川柳もそうだけれど、「バグ」って要素に大分助けられている)っぽくていいかなと思ったし。

 チーズ川柳が尾を引いていたので、この状況でなに出してもウケるわけねえじゃんと自信がなかったんですが、一回笑いの基準が変になったおかげか、今年のなかでも三番目ぐらいにウケました。

 お題との相性やこの日このときまでののコンディションがたまたま噛み合ったんでしょうけれど、ラッキーだろうがなんだろうが三分で大きいの二発出せたのは自信になりました。

 

お題 登場人物腐っているアンパンマンの回

 

ジャムおじさんとバタコさんが新しい顔を作るんですけれど、作ったそばからどんどん腐って、それでもめげずにどんどん作ってもまたどんどん腐っていって、それで悲しくなって涙がパンの生地に落ちて、その次に作ったパンは涙の塩気で少しだけ長持ちした

 お題が出てすぐに「来週は防腐剤マンの活躍に期待ができるなあ!」と答えたら「ジャムおじさんなにこねてるんだよ」とツッコミが入って、それでパンを作ってる姿が浮かんで、そこから「そういえばアンパンマンってパンにパンに流れ星かなにかが入って生まれたんじゃなかったっけ? あとメロンパンナちゃんだか誰かが生まれるときも花かなにかを混ぜたんじゃなかったっけ?」なにぶん幼児期から引っ張り出しているので曖昧にもほどがある記憶が蘇って、パンになにかが入ってそれが作用させようと思い付いて、お題がお題だけに涙、塩気で長持ちと一直線でした。

 こういう悲しさを入れた回答でウケた記憶がない(そもそもそんなに答えた記憶もないけれど)ので、そこも含めて個人的な記念として。

 

 

 いや、思った以上に自画自賛したな。来年は発表するしないは別としていい答えを出してもっと自画自賛できるようにしたいですね。

 おつきあいいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。